今日は、脇坂克二さんデザインの布を3点アップしました。1つは、有名な「ブ―ブ―」で、使用感がほとんどない手染めのヴィンテージです。



「ブ―ブ―」は、『北欧フィンランドのヴィンテ−ジデザイン』38ページに載っています。



今回アップしたのは、珍しい手染めの70年代ヴィンテージ。布に機械染めとは、まったく違う生き生きとした表情と力があります。布の名前も普通の「Bo Boo」ではなく「Bo Boo...」とピリオドが3個。

一つのデザインで幾つものバリエーションが作られてきていますが、こういった小さな違いも面白いです。

『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン」に載っているマイヤ・イソラの「タイヴァーンクカットゥ(天の花)」。1970年のデザインです。

32ページでは、左上の写真右側に



33ページには同じグリーン系の布が、左側に写っています。



伊花、「こものあれこれ」にあるのは復刻布で作られたマリメッコのクッションカバー。
濃い目のブルーの地に白い花と紺の葉が散るかわいいデザイン。
テフロン加工されたしっかりした生地です。



近くで見ると、ポップでかわいいお花と葉っぱが。

『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン』には、30ページと37ページにフィンレーソン社の「タイミ(苗)」が載っています。
デザインは、アイニ・ヴァ―リ。1961年の作品です。

30ページでは、ソファの右端。モノトーンのクッション。



37ページは白黒の写真、真中にあります。



60年代にとても人気のあったデザインで、フィンレーソンが復刻しました。
伊花の「こものあれこれ」または、ブランド名で探す→Finlayson にあるクッションカバー「タイミ」は、この復刻布によるフィンレーソンの製品です。
未使用の製品を現地発ならではのお値段でお届けしています。





北欧デザインというとシンプル、無駄がないというイメージが強いのですが、そうではない装飾的な系譜もしっかりとあります。
今シーズン、この紫のタイミはフィンランド郵便の封筒のシリーズにもなっています。

『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン』に載っていて、伊花で売っているメッツォヴァーラの布として「フサ―リ(騎兵)」があります。42ページの写真で、ふわりと椅子に背にかけられている布。グリーン系の「フサ―リ」です。



1963年のデザインで、ヴィンテージならではのしっかりした厚みのある布。伊花、「メッツォヴァ―ラの布」で扱っているのは、美しいパープル系です。



同じ柄でも、色によってまったく印象が異なるのが面白いです。

先日のニュースの一つは、フィンランドのミッドセンチュリーのデザイン・プロダクト。約半世紀前、限定された量で生産された陶器やガラス製品、その他のプロダクトの国外流出が最近激化。博物館関係者などが危機感をつのらせている。

ヘルシンキ、ナショナル・ミュージーアムの関係者が、限られた数しかないものがフィンランドから持ちされることは、文化の貧困化につながるとTVニュースで発言。

一方、フィンランドを訪れている日本人バイヤーが写され、タピオ・ヴィルッカラやティモ・サルパネヴァなどが特に人気があると流暢な英語で語っていた。

今後は、ミッドセンチュリーのデザイン・プロダクト国外持ち出し禁止が視野に入れられているという。こうしたニュースが流れると、今のうちにとさらに持ち出しが激化したり、値段が高騰したりするかもしれない。

フィンランドがどういう文化ポリシーの路線を取っていくのか注目される。

『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン』第2章のタイトルは、「色彩と巨大な花柄」。本には、巨大な花柄の布は出てこないのですが、特に60年代の花はとても大きい。ウニッコだってかなり大きいけれど、それよりはるかに大きいのです。

伊花で扱っているものとしては、フィン−ヘレン社の布があります。たとえば、ヒマワリの花。ど、ど、どうしてここまで大きいのっ?



もう一つ、フィンーヘレン社、リトゥヴァ・クロンルンド・デザインの「ティーローズ」は巨大なバラ。これは、健康的なヒマワリとは違う少し妖しい雰囲気。



リトゥヴァ・クロンルンドは、壁紙のデザインでよく知られていて、多数の作品がある中、ブルーの地の「ペルホネン(蝶)」が特に有名です。やや図案化された美しい蝶たち。『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン』には、138ページに「ペルホネン」が載っています(右側)。



また、139ページにはクロンルンドの別のスタイルの壁紙「ハハトゥヴァ」が載っています(左)。

マリメッコ、「メッツァンヴァキ」の盗作問題は急速に解決に向かっているようだ。盗作されたウクライナ人画家マリア・プリマチェンコは1997年に亡くなっており、マリアの作品「旅するネズミ」の著作権は遺族にあるが、作品はウクライナのデコラティブ・フォークアート美術館が所蔵している。



マリメッコの社長ミカ・イハムオティラはウクライナ人画家の遺族とデコラティブ・フォークアート美術館に手紙を送り、盗作を認めて謝罪。著作権侵害に対して賠償金を支払い、マリアの遺族・美術館と共同で対処していきたいという意向を表明。そこには、フィンランドでマリア・プリマチェンコの展覧会を開くことなどが含まれる。

昨日の報道では、マリアの孫、イヴァンは穏便な解決を望んでおり、弁護士によると、マリメッコが「メッツァンヴァキ」によってこれまでいくらの利益を上げたかなど調査を進めているが、事を荒立てず、比較的少額の賠償金で解決したい意向だという。

また、マリメッコに権利を売るのではなく、マリア・プリマチェンコの作品を使用する権利を与えるという方向で解決への模索が進んでいるようだ。

フィンランドはマイナーな「小国」だけど、ウクライナはそれにさらに輪をかけたマイナーな「小国」。フィンランドはウクライナよりずっと裕福ではあるので、豊かな国の高名デザイナーが、貧しい国の無名アーティストの作品を無断で利用していたという構図を避ける方向で交渉を進めるのは、賢明だと思う。

伊花で扱っているマリメッコのヴィンテージ布で、表か裏に線が入っているものがあります。

それは、手染めでプリントしていた時代の布に見られるもの。大きな枠を使って、長い布に手染めしていましたが、枠を移動する時にその型が裏側に残ったものです。機械染めではなく、手染めのプロセスを語るものであり、歴史的にも興味深いものです。




上の写真のように、布がプリントされていました。

たとえば、「マリメッコの布」で売っている、脇坂克二さんの「ウクライナ」




「ヴィンテージ布雑貨」にあるマイヤ・イソラの「アナナス(パイナップル)」



などに、この線が見られます。

今回は、『北欧フィンランドのヴィンテージデザイン』から、伊花で売っている布として、メッツォヴァーラの「サヨナラ」(1966年)について少し。43ページに色違いの布が2枚載っています。

メッツォヴァーラは、北欧、ヨーロッパ、北米など国際的にも知名度の高いフィンランド人デザイナー。1927年生まれで、ミッドセンチュリー(20世紀半ば)に活躍したデザイナーとしては、数少ない存命中の人です。「サヨナラ」の他、「ニッポン」(1950年代)、「サムライ」(60年代)という名前の布もデザインしており、当時の日本趣味のようなものを感じさせますが、どれも非常に手に入りにくい、というか私は「サヨナラ」以外は見たことがありません。




本では、ベージュと若草色をベースとした布が2枚。それぞれ折りたたまれて、一部写っています。

伊花で扱っているのは、オレンジと茶を混ぜたような色をベースとし、グリーン、ピンクなどを使ったやや派手目の布です。袋型のクッションカバーとして縫われていますが、あまり上手に縫われていないので、はぎれとして使う手もあります。






2009年には、フィンランドでメッツォヴァーラについて博士論文が書かれており、それについても紹介していきます。

今日のニュースで大きな扱いを受けたのは、クリスティナ・イソラのデザイン盗作問題。クリスティナは、マリメッコのスターデザイナー、マイヤ・イソラの一人娘。1946年生まれで、フリーのデザイナーとして、何十年にもわたってマリメッコにデザインしている。

彼女が2007年にデザインした、「メッツァンヴァキ(森の人たち)」が、ウクライナ人フォーク・アーチスト、マリア・プリマチェンコの「旅するネズミ」(1963年)にそっくりで、唯一の違いはネズミたちがいないことに気づいたのは、ヘルシンキに住む美術愛好家。



上がマリア、下がクリスティナの作品。



マリア・プリマチェンコは、独学で学んだ画家で、「素朴派/ナイーブアート」のようなスタイルで描く人。

夕方には、クリスティナは談話を発表。それによると母が遺した画集にあったウクライナ人画家の作品からインスピレーションを受け、そのヴァリーションをデザインした。その時は、著作権のことや盗作にあたること等考えていなかった。どうしてそんなことをしてしまったのか自分でもわからないが、その行為を今は恥じ、謝罪するという。

マリメッコの創設者アルミ・ラティアの息子で、デザイナーのリストマッティが、「なぜクリスティナともあろう人が」と驚きを隠せない様子がテレビで映された。

フィンランド航空は、機体に「メッツァンヴァキ」を描いた飛行機を日本などに運航しているが、その絵を消す費用などをマリメッコに請求する考えだという。またウクライナ側は、著作権侵害の訴えを起こす構えでおり、この問題はしばらくメディアを騒がせそうだ。


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